2025.06.13
屋外広告の種類と費用相場|効果的な広告戦略のコツも紹介

「屋外広告って、実際どれくらい費用がかかるんだろう?」
「どんな種類があって、どれを選べば効果的なんだろう?」
そんな疑問を持つ企業担当者の方へ。
本記事では、屋外広告の基本的な種類と費用相場をわかりやすく解説します。
看板広告からデジタルサイネージ、交通広告まで、目的やターゲットに合った選び方も紹介。
この記事を読めば、自社の戦略に最適な広告手法が見つかり、無駄のない出稿が可能になります!
目次
屋外広告とは?その役割と効果

「街中で目にする大きな看板や、駅のホームの広告、ビルの壁に設置された巨大ポスター」。
これらはすべて屋外広告です。
文字どおり屋外に設置される広告であり、人々の目に自然と触れるため、企業の認知度アップや集客に効果的な手法として多くの企業に利用されています。
屋外広告の大きな魅力は、24時間365日、常に視界に入る点。
テレビCMやWEB広告のように“ユーザーが見る操作”をしなくても、通勤途中や買い物の合間など、日常の中で無意識に目に留まるメディアとして強い影響力を発揮します。
特に、人通りの多い場所や交通量の多い道路沿いでは、何度も繰り返し視認される効果(反復効果)が期待でき、企業や商品名を自然に覚えてもらえるのがポイントです。
さらに、屋外広告は「初めてその企業やサービスを知る入り口」としても機能します。
たとえば、地元のラーメン店の看板を見て気になって検索する、という流れは珍しくありません。
“認知を広げる第一接点”として非常に優れた広告媒体なのです。
近年では、デジタル化の進展により、QRコード付きの屋外広告や、AR・SNSと連携したキャンペーンも増えています。これにより、オフラインの広告でありながらWEBサイトやSNSへの導線づくりにも活用可能。
まさに「進化する屋外広告」といえるでしょう。
ただし、屋外広告の効果は「立地・デザイン・掲載期間」の3要素に大きく左右されます。
つまり、ただ出せばよいのではなく、戦略的に出稿することが成功のカギとなります。
屋外広告の主な種類
屋外広告とひと口にいっても、その種類はさまざまです。
設置場所や目的、予算によって適した媒体は変わってきます。
ここでは代表的な屋外広告の種類を、特徴とあわせて紹介します。
■1. 看板広告(野立て看板・壁面看板・袖看板など)
もっともポピュラーな屋外広告が看板タイプです。
たとえば、幹線道路沿いに設置された「野立て看板」、ビルの壁面を利用した「壁面看板」、店舗の入口に突き出すように設置される「袖看板」などがあります。
これらは、道行く人々や車の運転手に向けて高い視認性を発揮するため、地域密着型の集客やブランディングに効果的。特に実店舗への誘導に適しています。
■2. デジタルサイネージ(電子看板)
近年増えているのがデジタルサイネージ。
ディスプレイに映像やアニメーション広告を流すタイプの屋外広告です。
駅構内や商業施設、ビル街など人の多い場所に設置され、動きのあるビジュアルで注目を集めやすくなっています。
特徴は、時間帯や曜日によって広告を切り替えられる柔軟性と、SNS・WEBとの連携ができること。デジタル技術と組み合わせたキャンペーン展開にも向いています。
■3. 交通広告(バス・電車・駅構内など)
公共交通機関を使った広告も、非常に有効な屋外広告の一種です。
たとえば、バスの車体に貼る「ラッピング広告」や、電車内・駅のホームに掲示するポスター類など。通勤・通学などで繰り返し目にする機会が多く、反復効果が高いのが特徴です。
広範囲に訴求できるため、地方から都市部までエリアに応じた使い分けができます。
■4. ビルボード・屋上広告
都市部の交差点や高速道路沿いで目にする巨大なビルボードや屋上広告。遠くからでも目立ち、インパクトやブランドのスケール感を強調したいときに最適です。
大型ゆえに費用は高めですが、メジャー企業のイメージアップ、ブランド定着に強い効果を発揮します。
■5. フラッグ広告・懸垂幕
商店街やイベントなどでよく見かけるのが、フラッグ広告や懸垂幕(垂れ幕)です。
比較的コストが抑えられ、かつ装飾的な要素もあるため、季節イベントやセール告知など、短期間の訴求に向いています。商業施設とのタイアップにもおすすめです。
このように、屋外広告には多彩な種類があり、それぞれに得意な用途やターゲット層があります。広告目的に応じて最適な手法を選ぶことで、より効果的なプロモーションが可能になります。
屋外広告の費用相場と価格の目安
屋外広告を出すにあたって、やはり気になるのが「費用」ですよね。
実は屋外広告の料金は、設置場所・広告サイズ・広告種類・掲載期間などによって大きく異なります。ここでは代表的な屋外広告の費用相場について、ざっくりとした目安と注意点を紹介します。
■地域によって相場が変わる
まず押さえておきたいのは、都市部と地方で費用相場が大きく違うということ。
たとえば東京・大阪などの主要都市では、人通りの多い場所ほど広告価値が高くなるため、同じサイズの看板でも地方と比べて2倍以上になることも珍しくありません。
一方、地方都市では比較的安価に掲出でき、長期掲載もしやすいため、費用対効果のバランスを重視する企業にはおすすめです。
■看板広告の費用目安
看板タイプ | 月額費用の目安 | 備考 |
---|---|---|
野立て看板 | 約3万〜15万円 | 土地の立地で大きく変動 |
壁面看板 | 約5万〜30万円 | 建物の規模・駅近で高騰 |
袖看板 | 約2万〜10万円 | 小型のものは比較的安価 |
これに加え、初期費用(デザイン・制作・設置費)として20〜100万円ほどかかるケースも多いです。
■デジタルサイネージの費用
デジタルサイネージは、掲出場所や放映時間によって価格が変動しますが、以下が一例です。
- 駅構内モニター:1週間 5万〜20万円(15秒×数回/時)
- 商業施設内サイネージ:1ヶ月 10万〜30万円
こちらも別途、動画制作費用(10〜50万円前後)が必要になる点は注意です。
■交通広告の費用目安
交通広告は掲出先によって幅があります。
媒体 | 掲出費用の例 |
---|---|
電車内ポスター | 約5万〜50万円(2週間〜1ヶ月) |
バスラッピング | 約20万〜80万円(月額) |
駅構内広告 | 約10万〜100万円(月額) |
交通広告は“乗降客数”が費用に直結するため、ターミナル駅周辺は非常に高額になる傾向があります。
■費用に含まれるもの
屋外広告の料金は「月額掲載料」だけでなく、以下のような初期費用や運用費用がかかる点も押さえておきましょう。
- デザイン制作費(3万〜30万円)
- 看板製作・印刷費(10万〜50万円)
- 設置・撤去工事費(5万〜30万円)
- 法的申請や許可費用(自治体によって異なる)
特に看板系は“設置後のメンテナンス費”も重要です。
錆びや色褪せがあると印象が悪くなってしまいます。
■費用を抑えるコツ
- 掲載期間を長く契約すると割引が効く
- 地方都市や郊外の土地を狙う
- 既存の看板スペースを活用する(リースなど)
このように、費用を抑えつつ効果を最大限にするには、媒体選びと出稿エリアのバランスが非常に重要です。
広告効果を最大化するためのポイント
屋外広告は「出せば効果が出る」という単純なものではありません。
限られた予算と掲出期間の中で最大限の成果を出すためには、戦略的な運用が欠かせません。
このブロックでは、屋外広告の効果を引き出すためのポイントを解説します。
■1. ターゲットを明確にする
広告の基本は「誰に、何を届けるのか」をはっきりさせること。
屋外広告も同じです。たとえば、
- 通勤中のビジネスパーソン向けなら駅構内広告
- 主婦層を狙うならスーパー周辺の看板
- 若者向けなら繁華街の大型ビジョン
など、ターゲットの生活導線を意識して掲出エリアを選ぶことが効果最大化の第一歩です。
■2. 設置場所の選定が命
どんなに優れたデザインでも、見られなければ意味がありません。
交通量・人通り・信号待ちなど「視認性の高い場所」を選びましょう。
ポイントとしては、
- 交差点・信号の近く
- 歩行者の目線に合う高さ
- ライバル広告が少ない場所
などが挙げられます。
場合によっては、専門業者による視認調査を依頼するのも手です。
■3. デザインとメッセージの工夫
屋外広告は一瞬で情報を伝える必要があるため、“パッと見て伝わる”デザインとメッセージが重要です。
- 情報はできるだけ絞り込む(商品名+キャッチコピー程度)
- フォントは大きく、シンプルに
- ブランドカラーやロゴを活かす
あれもこれも載せたくなる気持ちはわかりますが、見る人の視線は「たった2〜3秒」だと思ってください。
■4. 掲出期間を意識する
屋外広告は、「短期集中型」と「長期ブランディング型」の使い分けがポイントです。
- 新商品のPRやイベント告知 → 1週間〜1ヶ月の短期勝負
- ブランド認知や地元定着 → 3ヶ月〜1年などの長期掲出
また、キャンペーンと連動してSNSやWeb広告を組み合わせることで、相乗効果が期待できます。
■5. 成果測定の工夫
「出して終わり」にならないよう、効果測定の仕組みを事前に組み込むことも大切です。
- QRコードで流入を可視化
- 専用LPを設置
- “◯◯看板を見た”と伝えた人に特典をつける
など、アナログ広告でもデジタル的な追跡が可能になる工夫を忘れずに取り入れましょう。
広告は“出し方”ひとつで天と地の差が出ます。だからこそ、ターゲット・立地・デザイン・掲載期間・測定方法の5要素をうまく組み合わせて、自社にとって最も効果的な戦略を描くことが重要です。
出稿時に気をつけたい注意点と成功事例
屋外広告を出稿する際には、「ただ設置すればOK」ではなく、法律や管理、運用面で注意すべきポイントがいくつかあります。また、実際に成果を上げた事例を知ることで、出稿イメージを具体化しやすくなります。
■1. 法規制・申請手続きに注意
屋外広告は、「屋外広告物法」や自治体の条例によって設置条件が厳しく定められています。
許可を取らずに看板を設置した場合、撤去命令や罰則の対象となることも。
特に注意が必要なのは以下の点です
- 看板のサイズ・高さ・照明の有無
- 道路・歩道からの距離
- 建物の用途地域ごとの制限
掲出エリアが決まったら、必ず行政に相談のうえ、正式な許可申請を行いましょう。
多くの場合、専門の広告代理店が代行してくれます。
■2. 維持管理・メンテナンスも忘れずに
看板は風雨や紫外線にさらされるため、時間が経つと劣化します。
色あせ・破損・汚れなどがあると、企業イメージを逆に損なう恐れがあります。
- 定期的な点検
- 1年ごとのリニューアル
- 夜間の照明確認
といったメンテナンス体制も含めた運用計画を立てておくことが重要です。
■3. 成功事例①:地域密着型クリニックの看板戦略
地方都市の駅近にあるクリニックが、駅からクリニックまでの導線に3枚の看板を設置したことで、通勤客への認知度が上がり、新規来院者数が月間20%増加。
「通勤途中に何度も目に入るから、気になって調べてみた」という声が多く、反復視認による効果を実感した事例です。
■4. 成功事例②:建築会社の屋上広告によるブランディング
郊外の幹線道路沿いに屋上広告を設置した建築会社。
大型看板に「家づくりなら○○建設」のキャッチコピーを掲出した結果、問い合わせ数が半年で1.5倍に増加。
競合の多い業界でも、「インパクトと安心感を同時に与えられた」と評判を集め、ブランディング戦略として成功しました。
■5. 成功事例③:アパレルブランドのデジタルサイネージ活用
都市部の商業施設に設置されたデジタルサイネージで、新商品のプロモーション動画を流したアパレルブランド。QRコード経由で特設ページへ誘導し、SNSシェアによって拡散。
「現地で見て即購入した」「QRからクーポンを取得した」など、オンラインとオフラインを連動させた販促施策として好評価を得ました。
屋外広告は出す前の準備と、出したあとの管理が非常に重要です。法律を守り、運用に手を抜かず、事例から学びながら自社に合った活用を目指しましょう。
「何を、どこに、どれだけの期間、どう見せるか」をしっかり設計することで、広告効果は確実に高まります。
【まとめ】屋外広告は「戦略次第」で成果が大きく変わる!
屋外広告は、看板やデジタルサイネージ、交通広告など多彩な種類があり、視認性の高さ・反復効果・ブランディング力の強さが特徴です。
費用相場は設置場所や媒体によって幅がありますが、月額数万円〜数十万円が一般的。
都市部と地方では2倍以上の差が出ることもあります。
広告効果を最大化するには、ターゲットの明確化、立地選び、伝わりやすいデザイン、適切な掲出期間が不可欠です。また、法的なルールや管理面への配慮も忘れてはいけません。
実際に、駅前看板で来店数が増えたクリニックや、デジタルサイネージでSNS連携に成功したアパレルブランドなど、屋外広告で成果を上げている事例は数多く存在します。
つまり、屋外広告は「古くてアナログ」なものではなく、現代でも十分に通用する、強力なマーケティングツールなのです。
しっかりと戦略を立てて取り組めば、費用対効果の高い施策として、企業の成長を力強く後押ししてくれるはずです。