2026.01.31
賃貸物件で発生する看板トラブル|設置・撤去・退去時の注意点

名古屋を拠点にお店や事務所の看板デザイン・看板制作を行う看板クリエイトです。
当社は年間100件以上の看板企画・看板工事を行なっています。
ご相談頂く多くが、マンションや店舗物件など賃貸物件に看板を設置することが多いです。
賃貸物件に看板を設置する場合は、後々トラブルにならないように注意すべきポイントがあります。
目次
賃貸物件で看板トラブルが起こりやすい理由
賃貸物件における看板トラブルは、決して珍しい話ではありません。
特に店舗や事務所を運営する経営者・ビジネスオーナーにとって、看板は集客に直結する重要な設備である一方、賃貸契約との相性が悪く、思わぬトラブルを招きやすい要素でもあります。
看板は「造作物」扱いになるケースが多い
多くの賃貸物件では、看板は「借主が設置した造作物」として扱われます。
これは、エアコンや内装と同様に退去時には原状回復の対象になる可能性が高いことを意味します。
特に以下のようなケースでは注意が必要です。
- 外壁に穴をあけて設置した看板
- ビス・アンカーを使用した壁面看板
- 電源工事を伴う電飾看板
これらは「簡単に外せるから大丈夫」と思われがちですが、建物に手を加えている時点で原状回復義務が発生すると判断されることが多いのが実情です。
賃貸契約書に看板の記載がない問題
実務でよくあるのが、賃貸契約書に看板に関する記載がほとんどないケースです。
その結果、
- 設置していいと思っていた
- 前のテナントも看板を出していた
- 誰にも止められなかった
といった理由で設置したものの、後から不動産会社やオーナーから指摘を受け、トラブルに発展することがあります。
契約書に明記がない場合でも、「禁止されていない=自由に設置してよい」わけではありません。
この認識のズレが、賃貸物件の看板トラブルを生む大きな原因です。
不動産会社・オーナー・住民との認識ズレ
賃貸物件には、借主だけでなく、
- 不動産会社
- 建物オーナー
- 他の入居者・住民
といった複数の関係者が存在します。
例えば、
「不動産会社はOKと言ったが、オーナーは聞いていない」
「オーナーは了承しているが、住民からクレームが入った」
といったケースは珍しくありません。
特に集合住宅やテナントビルでは、看板の視認性・音・光が住民の生活に影響するため、安全性や景観の観点から問題視されることも多く、トラブルが長期化しやすい傾向があります。
設置時に多い看板トラブルと具体例
設置場所を巡るトラブル
賃貸物件の看板トラブルで最も多いのが「設置場所」に関する問題です。
入口上なら問題ないと思って設置した看板が、実は共用部分だったというケースもあります。
共用部分は、借主が自由に使えるスペースではありません。
たとえ店舗の目の前であっても、共用部に無断で看板を設置すると契約違反になる可能性があります。
無断設置による契約違反
「小さな看板だから」「簡易的なスタンド看板だから」といった理由で、事前確認をせず設置してしまうケースも多く見られます。
しかし、賃貸契約では、
- 設置の可否
- サイズや設置方法
- 撤去条件
が重要視されます。
無断設置が発覚した場合、是正指示・撤去命令・最悪の場合は契約解除に発展することもあります。
安全性・落下リスクに関する問題
看板は屋外に設置される以上、強風・台風・経年劣化の影響を受けます。
実際に、
- 固定が甘く落下した
- 電飾部分が破損した
- 通行人や住民に危険が及んだ
といった事例も報告されています。
安全性が確保されていない看板は、損害賠償問題に発展するリスクもあるため、設置方法には細心の注意が必要です。
退去・撤去時に起こる看板トラブル
原状回復義務の範囲
退去時に必ず問題になるのが「どこまで原状回復が必要か」という点です。
看板を撤去するだけでなく、
- ビス穴の補修
- 外壁の塗装
- 電源配線の処理
まで求められるケースもあります。
「撤去したから終わり」ではなく、設置前の状態に戻す義務があることを理解しておく必要があります。
撤去費用を巡るトラブル
看板の撤去費用は、サイズや設置方法によっては高額になることもあります。
特に高所作業車が必要な場合や、電飾看板の場合は、数十万円単位の費用が発生するケースも珍しくありません。
「こんなにかかるとは思わなかった」という声は非常に多く、事前に想定していなかったことがトラブルの原因になります。
居抜き退去で失敗するケース
居抜きでの退去を想定していても、次の借主が決まらなければ、結局撤去が必要になります。
「次の人が使うはずだった」という主張は、原則として認められません。
看板トラブルを防ぐために契約前・設置前に確認すべきこと
賃貸契約書で必ず見るべきポイント
- 看板設置に関する条項の有無
- 原状回復の範囲
- 共用部分の使用条件
これらは必ず契約前に確認しましょう。
不動産会社・管理会社への確認事項
口頭だけでなく、書面やメールで記録を残すことが重要です。
後々の「言った・言わない」を防ぐことができます。
設置方法と工事内容の事前共有
看板業者に任せきりにせず、
- どこに
- どのように
- どんな工事をするのか
を事前に把握し、不動産会社に共有することがトラブル回避につながります。
専門家視点で考える「賃貸物件の看板」と安全・信頼性
プロに依頼するメリット
専門業者は、賃貸物件特有の制約を理解した上で提案してくれます。
結果的に、撤去・退去時のリスクを最小限に抑えることが可能です。
トラブルが起きた場合の相談先
- 不動産会社
- 管理会社
- 看板専門業者
早めに相談することで、被害拡大を防げます。
長期的に見て安心な看板運用とは
短期的な集客だけでなく、
「退去時まで含めたコストとリスク」を考えることが、賃貸物件における賢い看板運用です。
まとめ
賃貸物件の看板は、設置時よりも「後」が重要です。
契約・原状回復・撤去までを見据えた判断が、無駄なトラブルとコストを防ぎます。
経営者・ビジネスオーナーとして、安心して事業を続けるためにも、
看板は「集客ツール」であると同時に「契約リスク」であることを意識して運用していきましょう。









