2026.10.03
野立て看板(立て看板)の施工方法|基礎工事・建方・費用・注意点を看板会社が解説

駐車場の入口や道路沿いで見かける大きな立て看板。
「店舗までの道案内として設置したい」「駐車場の場所を分かりやすくしたい」と考えていても、どのように地面へ固定しているのか分からない方は多いのではないでしょうか。
野立て看板は、単純に地面へ柱を埋めるだけではありません。看板サイズや高さ、地盤、風の影響などを考えながら基礎を設計し、鉄骨の建方、看板面の取付まで安全に施工する必要があります。
また、サイズや設置地域によっては、屋外広告物の許可や建築基準法上の手続きも必要です。
この記事では、名古屋を拠点に愛知・岐阜・三重を中心として、年間120件以上の看板企画・看板製作に携わる看板クリエイトが、比較的大きな野立て看板・立て看板の施工方法を分かりやすく解説します。
野立て看板・立て看板とは?構造と施工の基本

野立て看板とは、建物の壁などを利用せず、地面に支柱を立てて自立させる屋外看板です。
駐車場の案内、店舗への誘導、病院・クリニックの案内、会社や事務所の入口表示などに使用されます。看板クリエイトでも、駐車場や敷地に穴を掘り、アルミ枠や鉄骨などを使って設置する看板として取り扱っています。
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車から見る店舗看板では、建物に取り付ける壁面看板より道路側へ設置しやすく、店舗の存在や入口を早い段階で伝えられる点がメリットです。
野立て看板の構造
一般的な野立て看板は、次の4つの部分で構成されます。
| 構成部分 | 役割・主な材料 |
|---|---|
| 基礎 | 地面に設けるコンクリート。看板全体を支える |
| 支柱 | 角パイプやH形鋼など。看板を立てる |
| フレーム | アルミや鉄骨で製作し、表示面を固定する |
| 表示面 | アルミ複合板やインクジェット出力シートなどで仕上げる |
構造は、地盤 → 基礎 → 支柱 → フレーム → 看板面という順番で力が伝わります。
大きな看板面には風が当たるため、サイズや高さが増すほど支柱や基礎に加わる力も大きくなります。看板面だけでなく、基礎や鉄骨を含めて設計することが重要です。
看板サイズと風の影響
横幅2m×高さ1mの看板面は2㎡です。これを横幅3m×高さ1.5mにすると、寸法は1.5倍ですが、面積は4.5㎡となり、2.25倍に増えます。
風を受ける面積が増えれば、看板全体に作用する力も大きくなります。「少し大きくするだけだから、同じ柱で大丈夫」と判断せず、看板の高さ・面積・形状・地盤条件・地域の風条件を踏まえて構造を決めましょう。
道路沿いの店舗看板、大型駐車場の案内看板、病院やクリニックの自立看板、ロードサイドサインなどは、支柱と基礎を含めた設計が特に重要です。
野立て看板を施工する前に確認するポイント

野立て看板の工事では、穴を掘り始める前の準備が重要です。
デザインを先に決めるのではなく、設置場所、見る人、必要なサイズを確認してから計画します。
現地調査で設置場所と地盤を確認する
現地調査では、次の項目を確認します。
| 確認項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 設置スペース | 看板や基礎が敷地内に収まるか |
| 視認性 | 車や歩行者から見える位置・角度か |
| 周辺環境 | 道路、建物、樹木などが視界を遮らないか |
| 地中埋設物 | 給排水管、電気配線、ガス管などがないか |
| 地盤 | 掘削や基礎施工に問題がないか |
| 工事動線 | 重機や作業車が進入できるか |
| 交通安全 | 車両や歩行者の通行を妨げないか |
地下に配管や配線がある場所では、基礎工事の位置を変更する必要があります。「最も目立つ場所」だけで決めず、施工と完成後の使いやすさまで考えて設置位置を決めましょう。
看板の役割と見る人を決める
野立て看板には、主に「店舗の存在を知らせる看板」と「店舗まで誘導する看板」があります。
| 看板の目的 | 表示内容の例 | デザインの考え方 |
|---|---|---|
| 店舗の存在を知らせる | ロゴ、店舗名、業種、サービス | ブランドや店舗名を大きく見せる |
| 店舗へ誘導する | 矢印、距離、P入口、右左折案内 | 一瞬で進行方向が分かる表示にする |
車から見る看板は、認識できる時間が限られます。店舗名、矢印、「P」、距離など、必要な情報を絞ることが大切です。看板サイズいっぱいに文字を詰め込むのではなく、遠くからでも内容を理解できる看板デザインを考えましょう。
屋外広告物条例と建築基準法を確認する
屋外広告物の表示・設置基準は、自治体の条例によって異なります。愛知県も、禁止地域・許可地域・許可基準などについて、設置場所を管轄する市町村へ事前に相談するよう案内しています。(愛知県公式サイト)
名古屋市では、屋外広告物の表示・設置は原則として許可申請が必要で、大きさや高さなどの規格も定められています。(名古屋市公式サイト)
また、建築基準法上、高さ4mを超える広告塔・広告板などは、工作物の確認申請が必要です。国土交通省の資料でも、広告塔・広告板などは高さ4m超が確認申請の対象として示されています。(国土交通省)
ただし、高さ4m以内であれば自由に設置できるという意味ではありません。屋外広告物条例、用途地域、景観条例、道路との位置関係など、別の規制が適用される場合があります。デザインや製作を始める前に、設置場所の法規を確認しましょう。
野立て看板の施工方法|基礎工事から建方まで
看板サイズや現場条件によって工程は変わりますが、大型の立て看板では、次の流れで施工します。
| 工程 | 作業内容 | 主な確認事項 |
|---|---|---|
| 1. 設置位置の決定 | 設計図と現地を照合し、支柱位置を決める | 視認性、車両動線、歩行者動線、敷地境界 |
| 2. 掘削 | 基礎を設ける場所を掘る | 地中埋設物、掘削範囲、重機の安全 |
| 3. 基礎工事 | 鉄筋・支柱・アンカーなどを配置し、コンクリートを打設する | 支柱の垂直、基礎寸法、コンクリートの養生 |
| 4. 建方 | 支柱や鉄骨フレームを組み立てて建てる | 垂直・水平、ボルト、溶接部、安全対策 |
| 5. 看板面の取付 | フレームへ表示面を固定する | 面板の継ぎ目、固定方法、シートの状態 |
| 6. 仕上げ・検査 | 照明や配線を確認し、全体を点検する | 看板の傾き、錆、照明、周辺の清掃 |
1. 設置位置を決める
数十cmの違いでも、道路からの見え方や車両の出入りに影響します。駐車場では、車の旋回、駐車区画、出入口の視界、歩行者の動線を確認します。
施工しやすい場所ではなく、完成後に安全かつ使いやすい場所を選ぶことが大切です。
2. 基礎部分を掘削する
設置位置が決まったら、基礎を設ける場所を掘削します。穴の大きさや深さは、看板のサイズ、高さ、支柱の仕様、地盤条件などによって異なります。
同じ横幅2mの看板でも、高さ2mと高さ5mでは支柱に加わる力が違います。砂質土、粘性土、造成地など、地盤によっても基礎の考え方は変わるため、「深さ何cmなら大丈夫」と一律には判断できません。
比較的大きな看板では、バックホウなどの重機を使用することもあります。
3. 支柱を設置してコンクリート基礎を施工する
掘削後、設計に応じて支柱、鉄筋、アンカーなどを配置し、コンクリートで基礎を形成します。支柱の垂直を確認しながら施工することが重要です。
コンクリートは打設後すぐに十分な強度が出るわけではありません。看板サイズや施工方法によっては、基礎工事と看板本体の建方を別日に行います。
4. 鉄骨フレームを建方する
基礎が完成したら、支柱や看板フレームを組み立てて建てます。「建方」とは、支柱や鉄骨フレームを現場で組み立てる工程です。看板クリエイトの費用解説でも、野立て看板・立て看板の施工費に「建て方」と記載される場合があると説明しています。
クリニックの顔を作る!ブランディングに基づいた看板デザインの秘訣|看板クリエイト
大型看板では、クレーン付きトラックや高所作業車を使用することがあります。支柱の垂直、フレームの水平、ボルトや溶接部の状態、周囲の安全を確認しながら施工します。
5. 看板面を取り付ける
鉄骨フレームが完成したら、看板面を取り付けます。店舗看板では、アルミ複合板にインクジェット出力シートを施工した仕様がよく使われます。大型看板では、複数枚の面板を組み合わせる場合もあります。
屋外では風雨や温度変化を受けるため、面板の継ぎ目や固定方法が重要です。面板の浮きやシートの剥がれを防ぐため、屋外使用に適した材料と施工方法を選びます。
6. 照明・仕上げ・最終確認を行う
夜間も営業する店舗では、LED照明を追加することがあります。外照式はスポットライトやアームライト、内照式は看板内部にLEDを設置する方式です。
最終確認では、看板の傾き、面板の固定、ボルトや金物、塗装・防錆処理、配線、照明の点灯、周辺の清掃を確認します。
大型の立て看板を施工するときの注意点

野立て看板は、完成直後の見た目だけでなく、屋外で長期間使用できる安全性も考えて施工する必要があります。
看板サイズだけで基礎を判断しない
基礎は、看板の横幅だけで決められません。看板の高さ、表示面積、設置位置、支柱の仕様、地盤、周囲の風環境などを総合的に確認します。
同じ面積の看板でも、地上から1mの高さに設置する場合と、4m付近に設置する場合では、支柱や基礎に加わる力が異なります。基礎や鉄骨の仕様は、専門業者へ相談しましょう。
風対策を行う
野立て看板は大きな板を屋外に立てる構造のため、風の影響を受けやすい看板です。
国土交通省も、屋外広告物は雨・風・日射などによって部材の腐食、ゆるみ、亀裂が発生し、「落ちる」「倒れる」「飛ぶ」といった事故につながる可能性があると指摘しています。
台風の多い地域や周囲が開けた敷地では、看板デザインだけでなく、風に耐えられる構造かどうかを確認することが重要です。
完成後の点検を計画する
看板は設置して終わりではありません。雨水、紫外線、温度変化などの影響を受けるため、定期的な点検が必要です。
| 点検箇所 | 確認内容 |
|---|---|
| 支柱 | 錆、変形、傾き |
| ボルト・金物 | 緩み、腐食、脱落 |
| 基礎 | ひび割れ、沈下、周辺の異常 |
| 看板面 | 浮き、破損、シートの剥がれ |
| 照明 | 器具の固定、配線、点灯状態 |
愛知県では、一定規模以上の屋外広告物について、更新許可時に有資格者による安全点検を求めています。対象には高さ4mを超える広告板・広告塔などが含まれます。
道路を使用する工事では許可を確認する
大型看板では、クレーン付きトラックや高所作業車を使用することがあります。道路上に車両を停車したり、作業範囲を確保したりする場合は、道路使用許可や道路占用許可が必要になることがあります。
名古屋市でも、広告物を道路上に掲出する場合は、道路法による道路占用許可と道路交通法による道路使用許可が必要と案内しています。
交通量が多い道路では交通誘導員が必要になる場合もあり、これらの条件は工事費用に影響します。
野立て看板の工事費用はどれくらい?
野立て看板の費用は、サイズ・高さ・基礎・鉄骨・重機・設置環境によって大きく変わります。
| 費用項目 | 内容 |
|---|---|
| デザイン費 | 看板のレイアウトやデータ作成 |
| 看板製作費 | 面板、シート、フレームなどの製作 |
| 鉄骨製作費 | 支柱や鉄骨フレームの製作 |
| 基礎工事費 | 掘削、鉄筋、コンクリートなど |
| 建方・施工費 | 看板の組立・設置 |
| 重機費 | クレーン車、高所作業車など |
| 運搬費 | 看板や資材の運搬 |
| 電気工事費 | 照明や配線の施工 |
| 申請関連費用 | 屋外広告物や工作物確認申請など |
看板クリエイトでは、W2,000mm×H1,000mm程度の立て看板で、25万円程度を想定しておくと安心という目安を紹介しています。ただし、これは固定価格ではなく、現場条件によって変動します。
同じサイズでも、既存コンクリートへ設置するのか、土の地面に新しく基礎を作るのか、照明やクレーン車が必要かによって費用は異なります。
見積もりを比較するときは、看板本体だけでなく、基礎工事、鉄骨製作、建方、重機、運搬、交通誘導員、電気工事、申請費用が含まれているか確認しましょう。
野立て看板は「デザイン」と「構造」の両方が重要
野立て看板は、駐車場案内や店舗への誘導に役立つ店舗看板です。しかし、看板面を製作して地面へ柱を立てれば完成するものではありません。
施工では、次の工程を一貫して計画します。
| 計画・施工の流れ | 主な内容 |
|---|---|
| 現地調査 | 設置場所、地盤、視認性、埋設物を確認 |
| 看板計画 | 目的、サイズ、デザイン、材料を決定 |
| 法規確認 | 屋外広告物条例や工作物確認申請を確認 |
| 基礎設計 | 看板の高さ、風、地盤に応じて設計 |
| 基礎・建方 | 掘削、コンクリート、支柱、鉄骨を施工 |
| 看板面取付 | 表示面、照明、配線を施工 |
| 完成後の管理 | 点検、補修、必要な更新手続きを行う |
特に高さ4mを超える広告板・広告塔などでは、建築基準法に基づく工作物確認申請が必要です。
屋外広告物の規制は地域によって異なるため、別の市で設置できた看板が、同じ条件で設置できるとは限りません。施工前に、設置場所を管轄する自治体と経験のある看板会社へ確認しましょう。
名古屋を拠点に愛知・岐阜・三重を中心として看板デザイン・看板製作を行う看板クリエイトでは、年間120件以上の看板企画・製作に携わっています。
駐車場の案内看板、店舗への誘導看板、大型の野立て看板など、「必要なサイズが分からない」「この場所に設置できるか確認したい」という段階からご相談いただけます。
看板は単に大きく作るのではなく、安全に設置でき、必要な人から見え、正しく店舗まで誘導できることが大切です。設置場所、看板サイズ、デザイン、工事費用まで含めて検討し、その場所に適した野立て看板を計画しましょう。










